慣性負荷タイプシャーシーダイナモメーターのローラーには非常に高度な加工技術が必要です。 超高速回転での測定では、僅かなバランスの狂いが生じただけでも測定結果に多大な影響を及ぼす他、 測定車輌が不安定になり大変危険です。測定データーの正確性だけではなく。 安全面を考えた場合においても、精度の高いローラーが必要不可欠です。SDSでは、 超高速回転ローラーのバランスを4工程にも及ぶ最新式ダイナミックバランサーで対応しています。 その結果、最大測定速度は360km/hまで対応することが可能です。
コンパクトサイズと高剛性この相反する問題をSDSではHTF(ハイトラスフレーム)構造によって解決しました。 ベースフレームに幾つもの強化リブを組み合わせることにより上下方向はもちろん左右のネジレに対しても 抜群の強度と耐久性を確保すると共に耐震性についても非常に優れた効果があります。
ローラーシャーシーダイナモでは急激にトルクの立ち上がる高出力ターボ車等で起こるタイヤのスリップが大きな問題となっていました。 従来では、スリップ防止対策の為にローラー表面にヤスリ等を貼り付けたり、薬品などを塗って対処していた例も見受けられましたが、 ヤスリなどの表面が磨耗することにより一時的な効果しか得られずデーターの再現性という面から考えても有効な手段とは言えませんでした。 SDSシャーシーダイナモは、全モデルにオプション設定で、ローラー本体表面にローレット加工をし、極限までスリップロスを排除したローラーもございます。
非常に優れたローラーや剛性の高いフレームを使用していても、タイヤから伝わるパワーをローラーが確実に受け止められなければ無駄になります 。最近の市販乗用車は、ほとんどコンピューターによるエンジン制御が一般的で、きめ細かい制御による出力変化を受け止める為には測定車輌を確実に安定させると共に、 非常に優れたレスポンスのローラーが必要です。SDSでは様々な口径のローラーを長期にわたり研究テストした結果、1軸タイプでは車輌の安定性に問題があり、 ローラーにパワーを伝えるには不安定な要素が非常に多く、また大型ローラーは細かい出力変化を読むにはレスポンスが悪い為、エンジン特性を再現するには、 2軸タイプの高い安定性と13インチサイズが慣性重量と抜群のピックアップを絶妙なバランスで両立することが可能な最適サイズと判断し採用しております。
シャーシーダイナモ本体より出力されるローラー回転信号及び計測車輌に取り付けられたオプションセンサー (空燃比、ブースト圧、排気系、吸気温度、排気温度、4種ガス)の各信号は全て制御装置内のインターフェースへ送られA/D変換処理します。 変換されたデジタル信号はパソコン内の計測ソフトウェアで高速演算処理し、モニターへ表示します。 また、高速カラープリンターで印刷処理することも可能で、車種別ファイルで管理するにも最適です。 システム装置本体は、17インチ大型モニター、高速カラープリンター、インターフェース、パソコン本体で構成され コンパクトなキャスター付き一体型ユニットラックに収められ設置場所を選ばず、移動も簡単に行えます。